記念講演
Rogers賞記念講演 ②
2025年 8月31日(日) 10:40 ~ 11:40
パーソンセンタードの本質とは何か?
追手門学院大学心理学部
永野浩二 先生
個人面接とグループとフォーカシングを40年近く続けています。パーソンセンタード・アプローチにずっと魅力を感じて、飽きずにこの道を歩んできました。上手な聴き方も、カウンセリング的な見立てや関わり方もできない時から、話し手の人たちが、驚くほど劇的に変化・成長をしていく姿を何度も目の当たりにしてきました。「その人自身の力そのものの凄さだ」と思いました。
自分自身の中にもそういう力がある。そう信じたくてこの道に入りました。出会ったクライエントさんやグループメンバー、フォーカシングのワークショップの参加者の方々は、私の希望でもあり羨望でもありました。パーソンセタード・アプローチ(それは私にとっては人間存在そのものの生きるプロセスを意味します)には豊かな可能性と未来がある、と思っています。
お会いしてきた方々との体験や個人的な体験も交えて、パーソンセンタード・カウンセリングやフォーカシング、グループで何が起きるのか、その意味するところをできるだけ言葉にしてみたいと思います。
講師紹介

永野浩二
追手門学院大学心理学部
プロフィール
九州大学で村山正治先生に師事し、村山研究室や福岡人間関係研究会の仲間、PCAのコミュニティで出会った仲間と共に、実践や研究を行ってきた。2000年4月に追手門学院大学に赴任し、現在は同心理学部教授。
主要論文・書籍
パーソンセンタード・アプローチとオープンダイアローグ――対話・つながり・共に生きる(共編著) 遠見書房
ロジャーズの中核三条件 共感的理解 カウンセリングの本質を考える3(共著) 創元社
人間性心理学の立場からうつ状態を考える~日常生活におけるフォーカシング的態度を中心に〜 産業ストレス研究 23(4),289-296.